小豆峠

小豆峠(2013.9.28)

小豆峠は私が峠歩きを始めたときから行きたかった峠です。加越国境を越える峠で、麓にあった中野俣(勝山市)と赤谷(石川県白山市)を結んだ峠でした。この峠は1140mの高所にあり、麓の両村とも廃村となっているため、峠道はもうないに等しく、かなり到達が難しい峠です。勝山側から何度かアプローチしたことがありますが、深い薮に行く手を阻まれました。しかし、最近石川県側にある林道白木峠線の工事が進み、峠下まで車で行けそうなので、こちら側から再度トライしてみることにしました。

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小豆峠のお地蔵さん
小豆峠は平家の落武者伝説や一向一揆、更には出作りなどの歴史が残る山深い場所ですが、今回何とか峠に到達することが出来ました。峠には自然石で出来た、質素だが頑丈な祠に守られたお地蔵さんが鎮座していました。ほとんど来る人がないのでしょう、峠は一面笹に覆われ、足の踏み場もない状態でしたが、その下に掘れたしっかりした峠道が残っていました。越前・加賀地方にある典型的な峠の形をしており、山の鞍部を遠くから見ただけで、すぐにそこに峠があることが解りました。

>>今回歩いたルート

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林道白木峠線と赤谷線分岐
林道白木峠線は石川県の白山市白峰と小松市新保をつなぐ林道で、白木峠を越えることからこの名前が付いたようだ。林道工事は両方から行われているようだが、まだ繋がっていない。小豆峠へは白峰側からこの林道に入って行く。途中に白山展望台として有名な西山がある。西山の登山口を通り過ぎ、更に進んで行くと、上記写真のような分岐がある。右から上がって来ている林道が赤谷線だ。この分岐にある尾根筋に旧い峠道が通っていたはずなので、峠道の入口がないか探したが、それらしい場所は見当たらなかった。

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取り付いた沢(峠入口)
しかし、分岐から少し戻ったところに上記写真のような小さな沢があり、覗き込むと道のようになっていたので、ここから峠に取り付くことにした。沢は最初は道のようだったが、その内傾斜が急になり、これはただの沢であり、峠道でないことが明らかとなった。しかし、そこを登って行くしかない。我慢して登って行くと、何とか尾根に到達した。

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加越国境尾根の様子
到達した地点には立派なブナが生えていた。少し迷ったが、薮が比較的薄く、歩きやすい尾根筋を辿ると、前に山の鞍部が見えてきた。そこには明らかに道跡のようなものが越えているところがあったので、そこまで行ってみると、そこは紛れもない峠だった。

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小豆峠
稜線は人の踏み跡でいくらか掘れていた。掘れ方は浅いが道型はしっかりしており、こんな人里離れた場所でも営々と続けられてきた人間の営みがあったことを感じとることが出来た。

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峠にあった祠
峠の脇に自然石で出来た祠があった。雪深いところだから、祠がなければお地蔵さんはどこかに行ってしまうだろう。頑丈そうな祠の奥深くにお地蔵さんは座っておられた。

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祠の中のお地蔵さん
お地蔵さんは、フラッシュを焚かなければ、写真に撮れないほど深くにおられた。これだけ深ければ雪害から守られるだろう。

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降りて来た沢
帰りは峠道があっただろう所を降りたが、はっきりこれが旧い峠道だというものは見当たらなかった。峠道が通っていただろう尾根筋を降りたが、そのまま降りて行けば先ほどの分岐に降りてしまい、林道の高いのり面に行く手を阻まれてしまう可能性が高い。それで、谷側に軌道修正しながら歩いていたら、また小さな沢にぶつかった。この沢は先ほど登って来た沢とは違うが、この沢を降りて行けば林道にぶつかるはずなので、そこを降りて行った。

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林道から峠を見上げる
沢は滑りやすかったが何とか林道に降り立つことが出来た。降りてきたところは分岐から林道を更に奥に行った場所だった。そこから上のほうを見上げると、そこに峠らしきものが見えていた。峠から谷沿いにまっすぐ降りてくればこの地点にたどり着くが、ここに峠道があったかどうか確認していない。以前旧い地図を調べたところでは谷筋ではなく、尾根筋に道が付けられていたことになっている。

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西山から見た白山の眺め
この林道沿いにもうひとつ差上峠と言うのがあったはずなので、時間があればそこにも行こうと思っていたが藪漕ぎで精神的に疲れたので、そこはパスして、西山に登り、白山の展望を満喫し、帰路に就いた。

なお、この峠行きの詳細は後日、U字倶楽部にアップする予定です。

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.02 2013 峠歩き comment7 trackback0

comment

せともの
私もこの峠は古い地図で見ており、到達不可能と判断していました、夏場の峠探しは薮の濃さに妨げられて、何度か退却しています、もっとも半ズボンで行こうとしますから、身が入っていませんが、白木越え、新又越え、10年ほど前のことです
今回のあずきとうげは「幻の峠発見」と言っていいでしょう、小さい石仏がその確たる証拠になりましょう
林道白木峠線は白木越え探しで気が付き、管理組合だったかに地図を送ってもらいました、まだ西山あたりまでだった時です、10年ほど前でしょう
2013.10.07 23:03
ジーアイシュー
せとものさん、こんばんは

勝山側から何度か挑戦しましたが失敗していましたので、今回到達出来て、喜びは大きかったです。「幻の峠発見」とは少しオーバーでしょうが。林道白木峠線の工事が進んでいると言うので行ってみましたが、走りやすい林道でしたし、林道から峠まで距離がなく、激薮でしたがラッキーなことに峠を踏むことが出来ました。
2013.10.09 01:27
山伏
ついにやりましたね。
小豆峠の発見、おめでとうございます。
その場所を見ることができました。
私はこの日、国道157号線を走り瀬女で温泉に入りました。
谷峠の山の様子が見たかったからです。
豊原禅定道は小豆峠から先がわかっていません。
藪漕ぎを続けるなら
県境を歩いて白山を目指したいと思っています。
そのころ小豆峠では人が訪れていたんですね。
 
岩屋越えは時間をかけて調べ直す必要があります。
今は大日山まで踏破することに優先しています。
眼鏡を藪に引っ掛けて落としてしまったとき峠を探すのは諦めました。
私は視力が0.1しかないのです。
その後、斜面に段差があるようなものは見ています。
気のせいかもしれませんし本当に道跡だったかはわかりません。
視界が奪われ時間もないので
そこの確認はしませんでした。
こんなときもGPSがあると便利だと思いました。
また行ってみたいと思います。
2013.10.16 23:25
しろぶた
なつかしい小豆峠のお地蔵さま、拝見させて頂き非常に嬉しく思います。私が愛車(自転車)とともに小豆峠を越えたのは27〜28年前、すでに記憶もあやふやですが、赤谷沿いの林道終点から山道に入った記憶があります。尾根道ではなかったと思いますが谷沿いではなかった筈です。勝山側は、峠から林道が見え、藪の中を最初は峠道をあとは強引に林道まで下りました。峠から林道まで30分もかからなかったと思います。今も鎮座しているお地蔵さまが、滅多にこない峠への来訪者をずっと見守っていてくれたのかと思うと、本当に感激です。北陸の峠の今、また商会してください。
2013.10.18 21:31
ジーアイシュー
コメントありがとうございます。
27~28年前と言いますと、昭和60年ころになりますね。その頃はまだ何とか自転車で峠越えが出来たんですね。今は歩いても峠越えは容易ではありません。赤谷林道から自転車だと、さぞ大変だったでしょうね。その頃は赤谷林道の終点から峠までの山道が残っていたようですね。今は赤谷林道の終点だったところに、白木峠林道が繋がり、元の峠道は全く解らなくなっています。林道のり面に昔の峠道への取り付き道が顔を出していても良さそうなのですが、私が見た限りではそれもありませんでした。実際峠に登ってみると、林道から峠まではそれほどの距離がなく、登山道を着ければ、30分もあれば行けてしまうと思いますから、是非登山道を着けてほしい気がします。勝山側にはしっかりした峠道が降りていましたが、道が残っているのはごく短い区間だけだと思います。下に林道が来ていることは解っていましたが、ひどい薮で林道はまったく見えませんでした。3m先がどうなっているのかも解らない状態でした。その林道も最近は荒れが目立ち、私の車では怖くて上って行けません。

峠道が歩けなくなり、お参りできなくなってしまうと言うことで、お地蔵さまを麓に降ろしてある例が多いですが、幸いここのお地蔵さまは下に降ろされることなく、昔のままの場所に鎮座してくれていました。お地蔵さまを大事にしてきた地元の方の気持も理解出来ますが、元の場所に置くほうが数段ありがたいのではないかと私は思います。掘れた峠道が尾根を直角に越える小豆峠は私が歩いてきた越前・加賀地方の峠の典型的な姿をしています。掘れ方は浅いですが長年の人の営みによって山の稜線が削られた姿を見ると、人のぬくもりが感じられ、なぜかほっとします。

他にも加越国境上にはたくさん峠があります。私が歩いた峠をご紹介しますと・・・杉峠(登山道上にある峠で、昔の峠の雰囲気は薄い)、護摩堂峠(ここにはお地蔵さまがありますが、下の林道に降ろされ、元の峠の場所ははっきりしません)、谷峠(石川県側に立派な旧道が降りて行っていますが、峠付近に林道が上がって来ているので、昔の峠の雰囲気はありません)、新又越(お地蔵さまが鎮座し、良い雰囲気が残っていますが林道が上がって来ているので、昔のままの姿とは言えないようです。更に、最近この峠を跨ぐ道の整備が進んでいるようで、峠の雰囲気が大きく崩れるかもしれません)、大日峠(今は登山道上の峠で、余り昔の雰囲気なし)。これらに比べ小豆峠は昔の雰囲気をそのまま残している貴重な峠だと言えるでしょう。加越国境上にはその他にもまだ行っていない峠がたくさん残っています。しかし、どの峠も薮山の中で、容易に近づけません。残雪期なら峠の場所まで比較的容易に行けるところもありますが、峠の姿は解らず、雪がない時でないと行っても意味はありません。しかし、今後も何らかの機会をとらえて挑戦を続けたいと思っています。
2013.10.18 23:55
しろぶた
わざわざ返信有難うございます。学生時代(金沢在住)には、新又越や大日峠、中野俣峠(ここは石川側から歩いてピストン)、杉峠(三谷側)、小原峠(小原)等の加越国境の峠を愛車とともに遊んでいました。加越国境の峠として趣のあったのは新又越と小原峠だったでしょうか?大日峠や杉峠は以前からちょっと趣が異なっていたと記憶しています。
その他、朴峠や唐木峠、杉尾峠等、五箇山の峠も遊んでいました。ちなみに杉峠の小池側や小原峠の三谷側は数年前にようやく愛車とともに越えることがてきました。15〜6年前の名古屋在勤時代には、檜尾峠や蝿帽子峠、仏峠等の越美国境の峠を、一昨年は、唐尾峠、巣原峠(すでに林道が開通してしまいましたが)を愛車とともに越えてきました。
笹又峠等の情報も読ませて頂いてますので、また北陸の峠を越えてみたいものです(やっぱり6月頃が狙いですかね・・・・)。越前・若狭の峠はまだまだ未開の地であり、今後遊びに行ければと考えています(関東在住の為なかなか行くことができません)。
今後もコメントさせて頂くことあるかと思います。お見知りおき頂ければ幸いです。
2013.10.19 22:12
ジーアイシュー
しろぶたさん、こんばんは
こちらこそ、今後ともお見知りおきを。

檜尾峠や蠅帽子峠を越えられたんですか。それも歩いて越えるのも大変なのに、自転車でとは!! お見それしました。林道や一般道の峠を自転車で越えると言うブログやウェブはよく目にしますが、薮に埋もれた峠を自転車で越えると言う方には殆どお目に掛かっていません。相当の猛者とお見受けしました。

それに、杉峠の小池側や小原峠の三谷側はずっと薮の中に埋もれていたのを、ここ5、6年くらいの内に再整備され、歩けるようになったところですから、かなり細かく情報をチェックなさっているようですね。私自身は小原峠の三谷側は歩きましたが、まだ杉峠の小池側は歩いていません。杉峠の小池側はもうすでに薮化が進んでいるとの情報もあります。

笹又峠ですが、旧い峠道は薮に埋もれてしまっていますが、林道を走れば行くことが出来ます。この辺りの山域は縦横無尽に林道が走っていますので、自転車で走るには面白いところかもしれません。笹又峠は余り雰囲気がありませんが、近くにある若生子(わかご)峠は昔の雰囲気が良く残っています。時期的にはやはり雪が消えた6月の梅雨入り前でしょうね。5月では雪が残っているかもしれません。雪が降る前の晩秋も狙い目かもしれません。全国の峠に行かれているようなので、もう行かれているかもしれませんが、若狭の峠(鯖街道の峠)はどれもよく整備されていますし、比較的道幅も広い様ですから(恥ずかしながら、若狭の峠には今年始めて行きました)、自転車で走るには最高かもしれません。

私も一時期、東京近辺を廻っておりまして、その時は丹沢や奥多摩、箱根辺りの山々を散策していました。しかし、その頃はまだ峠に目覚めておらず、見過ごして来てしまったことを悔やんでおります。関東近辺の峠に行かれました際には気が向いたら、また書き込みなど頂ければ幸いです。
2013.10.20 00:11

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福井県内を中心とした山・峠・古道歩きをやっています。姉妹サイトU字倶楽部の速報版的サイトです。また、同サイトで扱わなかったちょっとした山歩き、ピークハントに失敗した山行き記録などを載せて行くつもりです。

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